『 少し前では、パナソニック、サンヨー、シャープ、ソニーなど家電各社が業績不振で苦しんだが、それもなんとか乗り越えてきた。

パナソニックは、大きな痛手も乗り越えて復調が著しい。一方、サンヨーはブランドを無くし跡形もない、シャープは台湾企業に買収された。
ソニーは、なにも新しい製品を生み出していないが、かつて生み出したイメージセンサーや、ゲーム機でなんとか虎口を凌いでいる。
家電各社が業績不振となっていた中で、東芝はそんなの関係ないとばかりに好調を維持していたはずだったが、実は不正会計で水増しがバレてしまった。
そして、東芝も衰退企業のお仲間入りしてしまった。』
学閥というエリートの弊害
『いわば、将来の身分の安定性を選んで入社している。起業まもない弱小企業ではなく、安定した大企業を選んでいる。そして入社してからは、選ばれたエリートだと自負しているはずだ。
したがって、現在の大企業はエリートだらけということができる。エリートなら仕事ができて当たり前のはずだ。しかし、現実は少し違った。なぜなら、時代は動いているからだ。ゆっくりと動いているうちは昨日と同じでもよかった。
しかし、動きが早く大きな流れとなったとき、昨日までのことは通用しなくなる。前例踏襲を基本にした仕事ではもはや立ち行かない。
出る杭にはならず、前例踏襲と学閥とで出世していくエリートに、大きな変化に対応出来る訳がないと思われる。なぜならば、変化に対応するには無謀な冒険が必要となるからだ。それはときにバカと同義である。
高学歴で大企業に入社したエリートであれば、バカにされることがとくに嫌いである。したがって、無難な道しか歩まない。
しかし、変化の時代には企業もイノベーションが欠かせない。それなくしては生き残れないからだ。しかし、大企業はいつまでも高学歴で優秀と思われる人材ばかりを採用してきた。開拓する精神性や、卓越した個性とか考えもしていない。』
1)ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2)1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3)遅いより速いほうがいい。
4)ウェブ上の民主主義は機能します。
5)情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6)悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7)世の中にはまだまだ情報があふれている。
8)情報のニーズはすべての国境を越える。
9)スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10)「すばらしい」では足りない。
社員の自主性や倫理観を尊重するグーグル ※記事引用元

『いわゆるネット時代やデジタル時代には、これまでの産業革新の時代とは異なる経営スタイルやワークスタイルが求められており、それを踏まえた企業変革が急務であることについては、日本の大手企業の認識がまだ甘いように感じる。
ネットやデジタルは技術を民主化した。最先端のテクノロジーはクラウド経由で従来よりもはるかに安いコストで利用できるようになった。それに合わせて、本来、企業も民主化しなければならない。
すなわち、従来のような、自社単独の組織力に依存したクローズドでトップダウン型のスタイルからは脱却して、現場の社員一人ひとりの創造性やモラルを最大限に活かした「オープンでフラットな組織」に変容させていかねばならないのだ。
階層や縦割りはできるだけ排し、現場に大幅な権限委譲を行なわねばならない。現場は現場で、受け身体質から脱却して、自らの自主性を大切にした働き方に転換することが求められる。 』
ナポレオンがプロシアに敗れてしまった理由に、戦い方の違いにあったと言う。
人や組織を動かす場合には、3種類の指示方法がある。
一つは、号令である。
号令とは、「右向け右!」の指示である。
指示されたものは、何も考えることなく指示通りの動作を行えばよい。
次に「命令」である。
命令とは、「スーパーに行って、白菜を買ってこい」と言う指示である。
どこのスーパーでも良い、また白菜の値段は指示されたものが決めればいい。つまり、目的と方法が決められているだけである。目的とは白菜であり、方法とはスーパーである。
最後に「訓令」と言うのもである。
訓令とは、「鍋料理が食べたいので準備をしておけ!」と言う指示である。
目的だけが示され、方法や内容はすべて指示されたものの裁量できめることができる。
ナポレオンは馬にまたがって陣頭指揮を執りながら、百戦錬磨の天才武将であった。
しかし、ナポレオンの指示伝達方法は「命令」のみであった。優秀な参謀がナポレオンの命令を各部隊に伝達してまわった。参謀が自ら考えて指示すると言うことは無かった。
しかし、プロシア軍は「訓令」を主体にした考える参謀部隊の集団であった。
目的はただ一つ、「ナポレオンを討つ」と言う「訓令」のみであった。
100の部隊は、100人の参謀の戦術でナポレオンの軍隊を攻めまくった。
結果は大どんでん返しのプロシア軍の大勝利となった。
ナポレオン以後の戦争戦略が大きく変わって行った。
どんなに優秀な人材が集まったとしても、上意下達の「命令」で動く組織では、現代のめまぐるしく状況が変化する時代に、企業は生き残ることは出来ない。
一人一人の優秀な人材が「訓令」によって、自由な発想と自己責任に置いてチャレンジできる環境であれば、企業はものすごい力を発揮して行けることは容易に想像できる。
IT企業と言われるベンチャー企業が世界中で瞬く間に、大成功を成し遂げた事実は、まさに自由な発想と柔らかな対応で、次々と課題を解決して大きな仕事を成し遂げて行ったのだろう。優秀な人材が、優秀な仕事を積み上げて行った結果である。