今年自家採種した野菜の種である。
①伏見甘長唐辛子 京野菜のシシトウ 固定種
②紫唐辛子 奈良県大和地方の伝統野菜 シシトウ 固定種
③万願寺 伏見甘長よりも一回り大きい シシトウ 固定種
④白つる有りインゲン 固定種
⑤平鞘インゲン(モロッコインゲン) 固定種
⑥絹さや 固定種
⑧ネギ 根深ネギ ほぼ固定種
⑨長手ゴーヤ ほぼ固定種
⑩丸型ゴーヤ ほぼ固定種
⑪F1のナス F2でまったく雑種 中長や丸型のナスができる
⑫ミニひまわり 観賞用
⑬地這いキュウリ ほぼ固定種
これから、採種予定の種
⑭日光トウガラシ 唐辛子 固定種
⑮鷹の爪 唐辛子 固定種
⑯プリッキーヌ 激辛ミニ唐辛子 固定種
⑰丹波の黒豆 黒大豆 固定種
⑱香り大豆 香りの良い秋の枝豆用 固定種
⑲ピーマン F2のピーマン
⑳花ナス 観賞用の赤い花ナス 固定種
①ヘチマ ヘチマタワシ用 固定種
②
野菜の種の世界に「雄性不稔」と言う言葉がある。
1925年アメリカのタマネギ畑で見つかった奇形の花である。
どんな花かと言うと、雄しべの無い花である。
つまり花粉が無い。
F1の種を作る時に、この「雄性不稔」の性質を持つ雌しべだけの野菜が利用される。
例えば、病気に強く、大きさのそろったF1の野菜を作ろうとした時に、違う2種類の親を交配させる。
自家受粉をさせないために、一方の花の雄しべを全部除去する作業をしなければならない。
種農家の畑の全部の花の雄しべを除去するのは、気の遠くなるような作業であろう。
そこで、最初から雄しべの無い花があれば、目的の交配がたやすくできる。
たくさん出回っているF1の種は、プロの農家に都合の良い品種が作られた結果である。
スーパーに並ぶ色艶の良いキュウリを食べるとする。
そのキュウリを半分に切って、味噌をつけて食べてみたことはあるだろうか。
きっとその食べ方では、硬くて、パサパサしていておいしくないだろう。
その原因は、収穫して何日も日持ちがするように、皮があつく色艶の良い品種に改良してあるのだ。
100均の地這いキュウリの種を蒔いて作ったキュウリは、日持ちが悪い。
2日もすればしんなりとしてしまう。
しかし、取りたてのものを半分に切って、味噌をつけて食べると瑞々しくてとても美味しい。
F1の種には、もう一つ仕掛けがしてある。
それは、種を採られないように、複雑な交配を施してある。
だから、F2の野菜を作って種を採るとF3の野菜は、親とは全く違う野菜が出来てしまう。
種の世界では、もっとすごいことが起こっている。
モンサント社と言う会社がある。
米国に本拠を置く世界的な農薬・種苗・バイオ会社。農薬のラウンドアップを軸に、遺伝子組み換え技術等も駆使し、世界的に事業を展開。
どのような種を作っているかと言うと、遺伝子を組み替えて、除草剤のラウンドアップが影響ない種を作っていると言う。
例えば、遺伝子組み換えの施されたトウモロコシを撒いたとする。
雑草が生えたら、畑全体に除草剤のラウンドアップを撒けば、雑草だけが枯れる。
これは農家にとっては、とても便利である。
農家は、遺伝子組み換えの野菜の種と除草剤のラウンドアップをセットで買う必要がある。
パソコンを買ったら、Windowsとエクセルとワードがセットでついてくるのに似ている。独占禁止法に引っ掛かってしまう販売方法だ。
それだけではない。
最近の種は、自殺する種が作られていると言う。
F1の野菜の種を採って、次の年に種を蒔くと芽が出ない仕掛けがされている種である。
スーパーに並ぶ野菜は、どれも奇麗で色艶も良く、洗練されたものである。
虫食いなんて野菜は、まったく無い。
でも、その野菜がどのような種で、どのような消毒薬が使われたのかを知ったら、きっと怖くなるかもしれない。
実際には人間は、強いからちょっとやそっとの残留農薬があったとしても、人体には全く影響が無い。
しかし、中国野菜はどんなに安くとも喜んで買う人は少ないだろう。
私の職場に、中国人の富裕層の奥方様を持つ人がいる。彼の話では、中国の富裕層は、現地の野菜を食べないで日本からの輸入野菜を食べていると言っていた。
最近、日本古来の固定種の野菜が出回ってきた感じがする。
伏見甘長唐辛子は、3年前に初めて苗木がジョイフルホンダに並んだ。
また、紫唐辛子は、昨年初めて趣味仲間から種を分けてもらった。
平鞘インゲンも寒い地方には昔からあった品種だが、最近千葉でも種が売られ始めた。
ネギは、もう何年も自家採種している。
なんか自分の畑になじんできた感じである。
もっともっと日本各地には、昔から作られているおいしい野菜があると思う。
そして、そこらじゅうに不耕作地が増えている。
今こそ、自給自足の真似事などして、自分で食べる分ぐらいは作るのも面白いかもしれない。
沢山の野菜を作られているようですね。私も200坪ぐらいを趣味で作付けしています。
どのくらいの坪数を作付けしていますか?