調査は全国すべての公立小中高校が対象で、平成17年度に小中高校の児童生徒が起こした校内暴力の総数は計3万283件(前年度比0.9%増)。中学は2万3155件、高校は5150件でほぼ横ばいだったようですが、小学校では、調査が始まった1997年度以降、初めて2000件を突破するという結果がでています。
小学校の内訳を見ると、
・児童間の暴力:951件
・器物損壊:582件
・教師への暴力:464件
・教師や児童以外の人への暴力:21件
Author:のじさん
200坪の菜園に100種類の野菜を育てる。畑の一画に秘密基地を作ってにわとりや金魚、メダカを育てている。冬には薪ストーブを燃やして暖を取り、コーヒーを飲む。都会に近い所で田舎風の暮らしを求めて、定年後の余暇時間を楽しんでいる。そんなライフスタイルの情報を発信していきます。
給食の時間。小3の男児が壁や友達の机、テレビの台をガンガンとけって回る。周りの児童がはやしたて、男児の勢いは止まらない。教室の後ろでは、別の児童たちがパンをちぎって、ごみ箱に投げ入れる「遊び」に夢中だ。歩きながら給食を食べている児童もいる。
兵庫県内の小学校に勤務する40代の女性教諭は03年10月、学級崩壊したクラスの「応援」に入り、モノをけ散らす男児を廊下に引きずり出した。「何かをけらないと収まらないなら、私をけりなさい」。男児はためらわなかった。手加減もせず、女性教諭のおなかや足を20発以上もけり続ける。担任は別の児童を指導しており、暴行に気がつかない。女性教諭にとっては、児童から受けた初めての暴力を、隣のクラスの男性教諭が助けに来るまで耐え続けた。
3年生は2クラス。04年のクラス替えで、2クラスとも学級崩壊に陥り、さらに05年は下の学年にも「崩壊」が波及した。「指導を聞かない子どもと何度取っ組み合いをしてきたか。みんな(ほかの教師)もやられていた」。保護者会には、荒れている児童の保護者に限って欠席する。家庭での指導はもはや期待できなかった。今年度、女性教諭は耐え切れなくなって休職した。
「すれ違いざま、何もしていないのに『くそばばあ』と言われて……。今も小学生の登下校を見ると、心臓がどきどきする。このまま退職するかも……」
◇ ◇ ◇
教師の名前を呼び捨てにして、「死ね、死ね、死ね」と何度も繰り返す。埼玉県内の50代の女性教諭は、ほんの些細(ささい)な指導をしただけで、まるで幼児がじだんだを踏んでいるような小2男児の様子に戸惑った。教諭自身はまだ暴力を振るわれたことはない。しかし、暴言や児童間暴力は、実感として年々低年齢化が進んでいる。
中国地方の小5男児が授業妨害などの問題行動を繰り返して10日間の出席停止処分を受けるなど、「厳罰化」や「警察との連携強化」を模索する動きが進んでいる。だが、女性教諭は「今の教師は、『子どもと向き合う』こと以外の負担(学校内の事務作業など)が大きくなっている。もっと子どもと向き合う時間と余裕がほしい」と漏らした。
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