60歳で定年を迎え、
その後は公務員では再雇用制度で、希望者は65歳まで働ける。
一般企業では、1年契約の契約社員で同様に65歳まで働ける。
給料は半分以下になる。
仕事内容はあまり変わらない。
「こんな少ない給料で、今までと同じような仕事ができるか!」などど考える者は、次の年からやめた方が良い。
私の知り合いの校長先生は、遅くに結婚して、定年を迎えたときに、まだ3番目の息子が中学3年生であった。
「共済年金は、月に15万円ほど。妻はパートで働ても10万円は稼げない。二人合わせても、3人の息子達を育てることは出来ない。」
彼は、フル勤務職を選んだ。
フル勤務職は、一般の教諭と同じように、担任を持ち、授業を持つ。
今まで10年以上も管理職をやっていたので、きびしいことはわかっていた。
フル勤務職は、年収が450万円ほどである。
もちろん、年金はもらえないが、何とか子供の教育費は出せるし、生活も何とかなる。
彼は、体育の教師だから、体育の授業を一日に、4時間から5時間行う。
勤務した中学校の校長は、後輩であったので、さすがに担任は外してくれた。
彼は校長になる前から、自分は子供が小さいので、子供が学校をでるまで働かなければならないと覚悟していた。
気合いを入れて、1年間頑張った。
しかしながら、10年も管理職をやっていた者に、「平の教諭」は、つとまらない。
そんなに、教諭の仕事は甘くない。
2年目から、「新任教師の指導教官」として、月給17万5千円の講師になった。
共済年金の15万と月給17万5千円、奥さんがパートで10万円稼げば、何とかなるだろう。
上記の例は、働かなければならない人の例であるが、私がここで取り上げたいのは、働かなくとも年金と蓄えで、なんとか暮らしていける人の生き方である。
人間は、食べていけるだけでは、生き生きと生きていけない人もいる。
お金がたくさんあれば、お金をかけて楽し遊ぶことが出来るだろう。
ギャンブルしたり、世界旅行をしたり、女遊びをしたりと、なんでもできるだろう。
食べていけるが、お金をかけて遊べるほどの余裕が無い人は、どうしたらいいのか?
才能があれば、自営業をすればいい。
才能がなければ、雇われればいい。
お金の多い少ないをあまり重視しなければ、けっこう充実した仕事人生が見つかる。
賃金の高い仕事は、きつい。
逆に賃金の安い仕事は、案外楽である。
時給800円ぐらいなら、けっこう良い仕事が見つかる。
「ブルーカラー」の仕事である。
作業員である。
もちろんパートであるから、その会社組織の中では、末端の労働者である。
若いぴちぴちした新米社員が直属の上司である。
この下で働くことが、なんとも楽しい。
「こき使われる」のでなく、「楽しく積極的に仕える」姿勢が大事である。
今の若者は、老人に対しては、けっこういたわりの気持ちを持っている。
特に、力仕事を老人にさせないように気を遣っているように感じられる。
私の知り合いに、65歳を過ぎても、同じ会社の「下請け」から引き続き働いてくれるように頼まれて、今年で70歳を超えるが、健康に問題がなければ、来年も頼まれているという。