変った胡蝶蘭が、園芸店の洋ランコーナーにあった。
妻の目に留まったのは、花ではなく値段であった。
『ねぇ、ねぇ!見て見て。500円よ、この花!葉も根もしっかりしているよ。どうだろうか?』と、私に振る。
洋ランで、500円の値段と云うのは、理由がある。
多くは、終わりかけの花を値下げした価格である。
しかし、この花は初めの値段は2000円だった。
妻は、しっかりと定価を確かめていた。
私は、値段よりもこの花の希少価値に、目が行った。
舌弁といわれる器官の形が違う。
いわゆる奇花である。
普通の人にとって奇花は、余り価値が無いかもしれない。
しかし、希少価値に拘れば、5000円でも安いかもしれない。
真っ白で、とても綺麗だと思う。
『いいんじゃない。白くて奇麗だよ。買っちゃいなよ。』と、背中を押した。
妻は、まだ変り花だということは気づいていない。
そして、花弁の裏側にはほんのりとピンクが乗っていた。
とても品のある花であった。
こちらが普通の胡蝶蘭である。
何年か前に、終わりかけの花を1000円で買ってきた時の画像である。
色艶が悪いのは、終わりかけの花だからだ。
現在では、3鉢に増えている。
舌弁とは、真ん中にある赤色の器官のことである。
上記の花は、この器官が無いので子孫を残すことは出来ない。
我が家では、胡蝶蘭の花は定価では購入しない。
お店が、定価で売ることを諦めた花を買う。
今回は、希少価値を知らない店長が決めた値段だろう。
私にとっては『ラッキー!』だった。